元アスリートやスポーツ選手の起業のしかた
元スポーツ選手や元アスリートで、セカンドキャリアに起業を考えている人は、起業の基礎を知っておいてください。
私も起業した1人です。
起業にはたくさんのリスクがあります。
起業した人の7割が3年以内に廃業しています。
独立・起業・開業をして食べていくことはとても難易度が高いのです。
特に、元アスリート・元スポーツ選手の廃業率は高いです。
もともと競技に打ち込んできた人たちですから、経営の専門家ではありません。
スポーツ選手は現役を引退するのが20代後半~30代の人が多いです。
若いうちであれば再就職はしやすいですが、30代を超えると転職できる選択肢が狭くなります。
また、知名度のある選手だと就職には抵抗がある人もいます。
私の知り合いに元オリンピック選手と元K-1選手がいます。
※2人ともけっこう有名人です。
2人とも有名になってしまったこともあり、引退後のセカンドキャリアは就職ではなく起業の道を選びました。
ところが、ビジネスはうまくいっていません。
「起業のしかた」「ビジネスの基礎」がないまま起業してしまうと、うまくいかなくなる傾向にあるようです。
起業が悪いわけではありません。
仕事の選択肢の1つです。
ただ、就職よりもリスクが高いため、きちんと基礎を学んでから起業した方が良いです。
※それでも失敗するリスクはありますが。
怪しい経営コンサルタントに騙されている事例が多い
元アスリート・元スポーツ選手で起業して失敗している人の妙な共通点なのですが、変な怪しい「経営コンサルタント」なる人から「起業を勧められた」という人が多いのです。
そして、だいたいは高額な「コンサル料」をとられています。
だいたいは名前も聞いたことがないような経営コンサルタントが多いです。
経営コンサルタントとは資格でもなんでもなく、ある意味「誰でもやれてしまう仕事、名乗れる肩書き」です。
ちょっと起業経験があるとか、営業ができる人とか、そんな人でも自分で名乗れば「経営コンサルタント」です。
「経営のしかたを教えてくれる人」みたいな感じでしょうか。
実はこの経営コンサルタントにも「おいしい仕事」があるのです。
それが「アスリート・スポーツ選手のセカンドキャリアの起業」なのです。
選手によりますが、特に元プロ選手は少々お金をもった状態で現役を引退する人もいます。
「引退後のセカンドキャリアに何をしようか」と考えるものです。
そのときにどこから聞きつけたのか元アスリートに近づいてきて、経営のアドバイスをして高額のコンサル料金をとっていくのが経営コンサルタントです。
※もちろん、まともな経営コンサルタントもいますが。
経営コンサルタントにとって、なぜアスリートのセカンドキャリア起業がおいしい仕事なのか?
それは「少々のお金を持っていて、経営の知識がないから」です。
アスリートやスポーツ選手は、スポーツや競技の専門家と言えるでしょう。
しかし、経営に関しては素人です。
「今までの自分のキャリアを活かして起業したい」と思う人は多く、そのとき始めて「経営について学びたい」と思います。
そのとき表れる経営コンサルタントと名乗る人は「経営の先生」に見えるわけです。
アスリートやスポーツ選手の中には素直な人も多いため、力のない経営コンサルタントの言うことを鵜呑みにして、まんまと騙されてしまうというわけです。
金額が高いものは疑ってください
経営コンサルタントの仕事の多くは「ビジネスモデルを考えること」です。
元アスリート・元スポーツ選手が持っている知識・技術・人脈・資金を組み合わせることで「こうすればお金が稼げますよ」と設計図を書いてくれるのが経営コンサルタントの仕事です。
たしかに、元アスリート・元スポーツ選手は自分の努力から得た素晴らしい知識・技術・人脈を持っていることが多いです。
ただ、これらをどう活かせば稼げるのかがわからないという人が多いです。
料理に例えると、知識・技術・人脈・資金は「具材」であり、レシピを考えるのが経営コンサルタント、実際に料理をするのが元アスリート・元スポーツ選手ということです。
これだけを聞くと「なんだ、経営コンサルタントって必要そうな人じゃないか」と思うかもしれません。
ですが、「計画通りにビジネスができれば、誰も苦労しない」ということなんですよ。
現役のときも「思い通りにいかないこと」なんて、数えきれないほどありましたよね?
ビジネスもそれと一緒です。
机上の空論と現実は大きく違います。
多くの経営コンサルタントは「ビジネスの設計図を描く」ということだけでお金をとっている人が多いので注意してください。
言い方は悪いですが「机上の空論でお金をとっている経営コンサルもいる」ということです。
前述のとおり、机上の空論と現実は違いますから、そもそもビジネスの設計図を描くだけでコンサル料金をとるのはぼったくりだと思います。
また、コンサル料金をとらない代わりに、何かを買うように勧めてくる経営コンサルタントもいるので注意してください。
よくあるパターンをご紹介しておきます。
- 「物品を仕入れて売りましょう」と勧めてくる(タオル、サプリメント…など)
- 高額のセミナーや研修を受講するように勧めてくる(100万円以上)
- 本を出版しましょうと勧めてくる(当然自費出版)
- 高額のホームページを作るよう勧めてくる(200万円以上)
- スポーツや介護系のフランチャイズに加盟するよう勧めてくる
- 怪しいビジネスの代理店にならないかと勧めてくる
もし現在、経営コンサルタントをつけていて、こうしたことを言われているようでしたら注意してください。
「高いな…」と思うものは、一般論の通り高すぎるのです。
怪しい悪徳経営コンサルタントに騙されて、大切なセカンドキャリア資金を失う人や、借金を背負ってしまう人もいるため、騙されないように注意してください。
起業の目的を明確にしましょう
では、現役引退後に起業したい人は、まず何をすればいいのか?
「稼ぎたい」「お金がほしい」と思うことは大切なことです。
これがないとビジネスを継続できません。
起業するときに大切なことは「起業の目的を定めること」です。
「何のために自分は起業するのか?」を決めます。
ただし、このときは「仮で決める」程度で十分です。
初志貫徹といえば素晴らしいですが、ビジネスには臨機応変さが求められます。
起業の目的や方向性を考えてみましょう。
「何のために起業するのかって、そんなの稼ぐために決まってるじゃないか」と言われるかもしれませんが、稼ぐだけなら就職でもできます。
「なぜ起業でなければいけないのか?」ということです。
起業のメリットは、収入の上限がないことです。
これは就職とは大きな違いです。
売上が挙がればどんどん収入は上がります。
たくさん稼ぎたいというのも起業の目的になるでしょう。
では、「自分が稼げればそれでいいのですか?」というと、そうでもないですよね。
どうせ起業するのであれば、自分が稼ぐことで「自分の会社が世の中の役に立つ」というのはどうでしょうか?
これはけっこう共感する人が多いです。
「自分が稼ぐためであれば、世の中の人が不幸になってもいい」と思う人はなかなかいません。
「何のために起業するのか?」に悩みすぎて止まってしまう人もいますが、ここは抽象的な感じでも大丈夫です。
「自分のビジネスが世の中の役に立ったら嬉しい」と思うのは人間として自然なことです。
名前を聞いたことがある人もいるかもしれませんが、「経営の神様」と言われた現パナソニックの創業者である松下幸之助さんも『会社の目的は世の中のお役に立つことである』と言っています。
起業している人に話を聞いて回りましょう
起業の勉強をするのに経営学を学ぶとかMBAを取得するとか、そんなことは必要ありません。
起業の勉強で最も良いのは、実際に起業している人の話を聞くことです。
特に、元アスリート・元スポーツ選手で起業している人の話を聞くこともお忘れなく。
今はSNSも発達しているため、元アスリート・元スポーツ選手にコンタクトをとることもできます。
実際に会って「なぜ起業しようと思ったのか?」「実際に起業してみてどうか?」「起業の良い部分、悪い部分」「起業して辛いこと」「具体的にどんなビジネスをして、どのようにお金を儲けているのか」をとことん聞きましょう。
様々な人が多種多様なビジネスをしていることに気づくはずです。
今まで自分の頭の中になかった考え方、アイデアがたくさんあります。
起業している人の話を聞いて回るときのコツは、ビジネスがうまくいっている人もうまくいっていない人も両方話を聞くことです。
これによって「なぜうまくいくのか」「なぜうまくいかないのか」が見えてきます。
成功のしかたを知るには「失敗のしかた」を知らなければいけません。
また、話を聞いて回ることで自分の理想に近いビジネスをしている人が現れます。
そういう人を見つけたら、とことんつきまとうのが一番です。
※ストーカーっていう意味じゃないですよ。
可能であれば、その人の仕事に一緒についていくと良いでしょう。
リアルな仕事の現場を見ることがもっとも良い勉強になります。
そういう人に弟子入りすることも良いでしょう。
本当に「この人みたいになりたい!」と強く思うのであれば、弟子入りは有効です。
こうやって様々な起業家の話を聞いているうちに「自分のビジネスモデル」はできあがってくるものです。
失敗しやすいビジネスは?
失敗しやすいビジネスはあります。
ズバリ言いますと、
- 飲食店
- 物販
です。
飲食店と物販ビジネスは失敗する確率が極めて高いため、おすすめしません。
なぜか元アスリート・元スポーツ選手の人が飲食店を開業する確率が高いですが、ほとんどは失敗しています。
飲食店はあらゆるビジネスの中でも難易度が高い方です。
経営の素人がもっとも手を出してはいけないのが飲食店です。
飲食店が失敗しやすい理由
飲食店が失敗しやすい理由は明確です。
- 客単価が安い(1人のお客さんが支払う金額が小さい)
- 競合店が多い
- 仕入れが高額
- 仕入れたものが腐る、廃棄しなければならない
- 開業資金が高額(数百万~1000万円以上)
この3つの理由から、難易度が高い商売です。
②の「競合店が多い」ですが、これはわかりますよね。
日本には飲食店が67万店あるそうです。
もし本気で飲食店をやろうと思っている人は、開店しようと思う地域に飲食店がいくつあるか数えてみてください。
かなりの数があるはずです。
例えば、ラーメン屋さんを開店しようと思っている場合でも、数を数えるのは「ラーメン屋さんの数」だけではありません。
飲食店すべての数を調べてください。
カレー屋さんも居酒屋さんもケーキ屋さんもチェーン店もすべて飲食店ですので、ライバル店ということになります。
厳しいですが、飲食店が1つ潰れても、お客さんは困りません。
他にも飲食店はたくさんあるからです。
開業する人にとっては人生をかけた一世一代の大勝負ですが、お客さんにとってはそこまで大切なことではありません。
⑤「開業資金が高額」な割に、ライバル店が多く、非常にリスクの高い商売です。
①「客単価が安い」ということもあり、売上が急に上向くことはありません。
④の「仕入れたものが腐る、廃棄しなければならない」は飲食店だけに発生するリスクです。
他のビジネスでは「仕入れたものが腐る、廃棄する」ということはありません。
仕入れにかけたコストがすべて無駄になってしまうということで、これはビジネスにおいては大きな損失です。
廃棄がたくさんでることは飲食業界でも問題になっていますし、お金を捨てているようなものです。
飲食店で儲ける方法は「多店舗展開」しかありません。
1つの店舗の利益は小さくても、店舗数が増えれば売上が大きくなり儲かります。
ですが、これには最初の1店舗目を成功させる必要があることと、多額の投資が必要ですし、人もたくさん雇わなければできません。
起業の最初からこのようなビジネスモデルはリスクも高いのでおすすめできません。
元アスリート・元スポーツ選手が飲食店を開業するケースは多いですが、相当難しいので、失敗して借金を背負う強い覚悟がない限りは絶対にやめてください。
物販ビジネスが失敗しやすい理由
物販(物を売る商売)が失敗しやすい理由をご紹介します。
- 物によっては客単価が安い
- 競合店が多い
- 仕入れが発生する
の3つです。
①客単価が安い商品を扱うのは失敗しやすいです。
例えば、雑貨屋さん。
雑貨は大手と競合したら絶対に勝てません。
品ぞろえも価格も大手の方が上です。
また、客単価が安いということは売上が低いということです。
特に、店舗をつくって物販をする場合は店舗の家賃もかかるため、非常にリスクが高いです。
もっとも難しいのが②の「競合店が多い」です。
物販をしているお店がライバル店・競合店ということになるわけですが、どういったお店が競合店になるかというと、
- イオンなど大型商業施設
- スーパー
- 百貨店
- コンビニ
- ホームセンター
- ドラッグストア
- 家電量販店
などがライバル店になります。
※売るものにもよりますが。
こうした超大手の企業がライバル企業になるということですので、非常に難易度が高いです。
また、競合店はリアルな店舗だけではありません。
- amazon
- 楽天
- yahooオークション
- メルカリ
- 価格.com
- 各種通販サイト
などもすべて競合店です。
現代はネット通販が伸びている時代です。
ネット通販は「店舗で買うより価格が安い」「家まで持ってきてくれる」という大きなメリットがあります。
自分でECサイト(販売サイト)を作っても、結局amazonをはじめ大手通販サイトには絶対に勝てません。
むしろ、amazon、楽天などにお金を払って載せてもらう側になります。
たしかにお客さんに自分の商品が目に触れる機会は増えますが、こうした大手通販サイトには様々な商品が星の数ほど紹介されていますので、埋もれてしまう確率が高いです。
物販も飲食店も「売上ー原価(仕入れ値など)=利益」です。
物販と飲食店は売上が低く、原価が高いため、どうしても利益が少なくなり儲かりにくいということです。
物販と飲食店はおすすめしません。
起業に絶対必要なのは「営業力」
起業にもっとも必要な能力は「営業力」です。
営業力のない人は起業しない方がいいです。
※この段階で起業を断念する人が多いです。でも営業力がないことは悪いことではありません。
「自分は営業職がやりたいんじゃなくて、経営者になりたいんだ」という声も聞こえてきそうですが、それは正直甘いです。
経営者のもっとも重要な仕事は「売上をもってくること」です。
もっとわかりやすく言えば「お金をもってくること」です。
これが経営者の手腕です。
売上をもってこれなければ会社は潰れます。
起業する人の中には「営業力」を軽視している人もいますが、起業においてもっとも大切なことです。
営業力があれば何とかやっていけます。
「知識・技術はあるけど営業力はない」という人と、「営業力はあるけど知識・技術はない」という人であれば、明らかに後者の方が強いです。
どんなに知識や技術があっても、それを買ってくれる人がいなければ売上はゼロです。
すぐにつぶれてしまいます。
特に、起業したてのときは自分で営業しなければ誰も助けてくれません。
自分の人脈もフル活用して売上を立てる力が必要です。
私の知り合いの元オリンピック選手は、起業したのですがこの「営業力」が圧倒的に弱く、いつも誰かが何かいい話を持ってきてくれるのを待っていますが、これではダメです。
もうすぐ彼の貯金は底をつきます。
営業力に自信のない人は起業すること自体をやめるか、どこかの企業の営業職に就職して、営業の練習を十分に積んでから起業した方が無難です。
起業せずに就職するのも立派な選択肢です。
ビジネスモデルの作り方
起業する際はビジネスモデルを作る必要があります。
ビジネスモデルとは言葉の通り「商売の形」です。
簡単に言うと、
- どういう商品、サービスを売るのか
- どうやって売るのか
- どうやったら売れ続けるのか
を考えることです。
良い商品やサービスだからといって、売れるわけではない
ビジネスにおいて大切なことは「どういった商品やサービスにするのか」です。
ちなみにこの、商品・サービスづくりで失敗する人が非常に多いです。
失敗するパターンは『この商品・サービスはとても良いから売れるはず!』という考え方です。
一見、間違っていないように思いますが、商品・サービスづくりでもっとも覚えておいてほしいことがあります。
それは『良い商品・サービスがたくさん売れるわけではない』ということです。
ラーメン屋さんで例えてみましょう。
ダシにすごくこだわって、麺にもすごくこだわって、良い材料を使って本当においしいラーメンを作ったとしましょう。
しかし、結局のところラーメン屋さんで日本一売上が高いのは「日高屋」さんなのです。
私は日高屋さんは好きですが、たしかに食べ比べると素材にこだわったラーメン屋さんの方が間違いなくおいしいです。
ですが、日高屋さんは店舗数も多いですし、安く手軽にラーメンが食べられるため、ありがたいのです。
仕事と仕事の合間や、あまり時間がないときは、並ぶようなこだわりのラーメン屋さんには絶対行きません。
時間がかかるし、てっとり早くランチを済ませたいときはやはり日高屋さんの方が便利です。
「おいしいからお客さんがくる」とは限らないのです。
飲食ビジネスでなくても同じことです。
「良いから買う」のではないのです。
資格をたくさんとるのはあまり意味がない
元アスリート・元スポーツ選手が起業で陥りがちな失敗ですが、資格をたくさんとる人がいます。
勉強すること自体は良いことなのですが、「資格があるから稼げる」ということはありません。
スポーツや美容・健康系の資格は本当にたくさんあります。
ヨガインストラクター、ピラティス、食育、ダイエット、ストレッチなどの様々な資格があります。
特に女性が陥りがちなのが、こうした資格をとりまくることです。
「資格をとれば専門家のように見えるから」「資格をとれば名刺に書けるから」「なんとなく信用してもらえそうだから」など、資格をとる理由は様々ですが、実はお客さん側は講師がどの資格を持っているかをほとんど気にしていません。
ちょっと厳しいようですが「へぇ~」くらいの感じなのです。
そのため、資格をたくさんとって勉強するのは良いことですが、外見的な信用はそこまで効果がないということです。
日本には「資格ビジネス」という言葉が存在するくらいで、こうした「資格をとりたい人」をターゲットにした商売がたくさんあります。
冷静に考えてみると、資格がありすぎて、1つの資格の価値が下がっているようにも感じます。
様々な一般社団法人や協会はあの手この手で新しい資格をどんどん作っていますが、不必要な費用や時間をとりすぎないようバランスが重要です。
確かに、資格はないよりはあった方がいいと思いますが、「資格の数」はそこまで問題ではないということです。
なくなったら困る商品・サービスを作る
商品やサービスを作るときは、お客さんが「なくなったら困る」という商品やサービスを作りましょう。
「なくなっても困らない商品・サービス」はすぐに買ってくれなくなります。
今の世の中はみんな家計を一生懸命やりくりしています。
もし収入が減った際は当然支出の見直しをします。
真っ先に削減されてしまうのが「趣味、習い事」です。
例えば、元アスリート・元スポーツ選手がヨガ教室を開くとしましょう。
健康や美容に意識の高い人はヨガ教室に通いますが、あくまでも「月謝を払えるから通っている」ということを忘れてはいけません。
もし、ヨガ教室の生徒さんが何らかの理由で収入が減ってしまったとき、真っ先に削減されるのが趣味や習い事ですよね。
残念ながら、ヨガ教室に行かなくてもお客さんは困らないのです。
ヨガ教室に行かなくてもyoutubeを見ながら自宅でもヨガはできます。
飲食店も同じです。
家計を節約するときにもっとも簡単に支出を削減する方法は「食費を削ること」です。
当然、外食するよりは自炊の方が安くできますから、飲食店も来てくれなくなるリスクを多く抱えています。
お客さんはあなたの飲食店がなくなっても困りません。
ご飯は他の方法でも食べることができるからです。
商品・サービスを作るときは、上記のような「なくなっても困らない」ものではなく、お客さんが「なくなったら困る」という商品・サービスにしましょう。
「なくなったら困る」という商品・サービスは、お客さんが買い続けてくれるからです。
商品・サービスづくりはリサーチから
では、どういう商品・サービスをつくればいいのか?
答えは「人に聞くこと」です。
①「良い商品・サービスだから売れるはず!」→営業
ではなく、
②「どんなことをみんな求めているんだろう?」→人に聞く→商品サービスづくり→営業
が正しい順序です。
①はギャンブルです。
「売れるだろう」という予測で売りにいくため、想定が違っていた場合は失敗してしまいます。
②は、答えを知った上で動けるため失敗するリスクが低いです。
答案を見ながらテストを受けるようなものです。
人に聞いて「こういう商品があったらいいのにね」「こういうサービスがあったら買うのになぁ」という答えを聞いて、それに合う商品やサービスを作るだけです。
どうしても「この商品・サービスを売りたい!」と、売るものにこだわってしまう人が多いので注意してください。
けっこうな確率で失敗します。
商品やサービスは、人の欲しいものを聞いてから作るものです。
どうやって売るのか?
商品・サービスを作ったら、どうやって売るのかを考える必要があります。
ちなみに、営業の基礎をお伝えしておきます。
- アプローチ(興味を持ってもらう)
- なぜその商品サービスが必要なのかを知ってもらう
- 商品やサービスの説明
- 成約、購入、契約など
- 紹介
です。
営業が下手な人は③「商品やサービスの説明」から入る人がいます。
その商品やサービスがなぜ必要なのかわかっていない人にいくら説明しても無駄ですし、相手にも迷惑です。
①「アプローチ」と②「なぜその商品サービスが必要なのかを知ってもらう」は、相手に合わせて話すことを変える必要があります。
「あなたにこういうメリットがある」ということを明示したうえで、③自分の商品やサービスの説明をすると、購入してくれる確率が一気に上がります。
※「どうやって売るのか?」は文字だけでは表現しきれない部分も多いため、さわりだけご紹介でした。
どうやったら売れ続けるのか?
売れ続けるためには「売れ続ける仕組み」が必要です。
一度お客さんになってもらった人に友人知人を連れてきてもらう仕組みを考えましょう。
「どうしたらお客さんがお客さんを呼んできてくれるか?」が商品・サービスが売れ続けるための勝負です。
もっとも効率良くお客さんを獲得し続ける方法は「お客さんが営業マンになってくれること」です。
「あの人に頼めば間違いない」「あの人のサービスはぜひうちの親にも紹介したい」「あの人の商品を友人に教えてあげたい」とお客さんン思ってもらえるような商品・サービスであることが重要です。
また、今の時代はWebもかかせません。
Webサイトは、言い換えれば「24時間働いてくれる営業マン」です。
自分の会社で営業マンを1人雇うより、圧倒的な営業力と費用の安さが強みです。
「Webサイトがない」というのは致命的です。
最低限作っておく必要がありますし、自分の商品やサービスを買ってくれる人が検索するようなキーワードを埋め込む必要があります。
※SEO対策といいます。
「facebookやインスタではダメですか?」という声もありますが、それでも全然大丈夫です。
ただし、facebookしかない、インスタしかないというのはよろしくないです。
自社のホームページがあって、facebook、インスタなどのSNSも利用しましょう。
ホームページは1つあればいいというものではありません。
複数のホームページやメディアを活用してお客さんを集客するのは最低限です。
youtubeは動画でアプローチをできるため、必ず活用しましょう。
自分の商品やサービス、または自分自身のアプローチのために短い動画をたくさん作っておきます。
これらをyoutubeにアップすることももちろんですが、自社のホームページ、facebook、インスタ、twitterなどを使って動画を拡散することで相乗効果が生まれます。
お客さんがお客さんを連れてくる仕組みづくりや、ネット上の集客の仕組みを活用して「売れ続ける仕組みづくり」をしましょう。
※「どうやったら売れ続けるのか?」は文字だけでは表現しきれない部分も多いため、さわりだけご紹介でした。
まとめ
起業については、書き始めたらきりがないくらいお伝えしたいことがあるのですが、ひとまずこの辺でまとめとしておきます。
元アスリート・元スポーツ選手で起業する人は多いですが、そのほとんどが失敗しています。
前述の通り、私の知り合いの元オリンピック選手と元K-1選手も経営がうまくいっておらず、現役時代にあれだけ輝かしい活躍をしていたい人が、経営の世界では大苦戦をしている姿を見るのは辛いものです。
起業という選択肢自体が悪いことではありませんが、起業にはやり方があります。
それを知らずに起業すると失敗しますし、それを知った上で起業しても失敗する確率は高いです。
少しでも起業する元アスリート・元スポーツ選手で失敗する人が減ればいいと思い、この記事を書きました。
まだまだ書きたいことがありますが、それはまたおいおいと…。
また、冷静に判断したうえで起業という道をとらずに「就職・転職」を選ぶのもとても良いことです。
何もかっこ悪いこともありませんし、立派な選択だと思います。
私は起業した者ですが、起業したからこそ企業に勤めることの素晴らしさも痛感します。
就職や転職を考えている人は、『日本で唯一の元アスリート・元スポーツ選手専門の信頼できる転職エージェント』があるため、相談してみると良いでしょう。
ご自身のキャリアに理解があって、元アスリート・元スポーツ選手を求めている優良企業の中から、ご自身に合う企業を紹介してくれます。
起業にはリスクがあります。
起業することを後悔する人もたくさんいます。
慎重に検討してください。